永井陽子の桜の歌

あはれしづかな東洋の春ガリレオの望遠鏡にはなびらながれ

『永井陽子全歌集』の帯にもある、この高名な代表歌が思い出される季節だ。
残念ながら今年の日本の春は「あはれしづかな」と言えないものになってしまっているが。
永井さんが逝って十一年経ったのだが、永井さんは桜の季節の生れ、四月十一日が誕生日である。
今日たまたま、例のCM「こだまでしょうか」で話題になりつつある、金子みすゞの「童謡詩集」を立ち読みしていたら年譜があり、誕生日が永井さんと同じ日なのに気付いた。
みすゞは二十六歳の若さで死んでいる。永井さんは四十八歳だが、実年齢に関わらず夭折という印象があった。作品から立ちのぼる儚げな生の感覚も共通すると言えなくもない。
桜の季節に生れた人は、そんな「桜花的短命さ」を感じさせる、ということだろうか。いや例外はかなり多そう…。
ちなみに今日十三日は同じく夭折だった石川啄木の命日である。誕生日は二月だから「桜花的短命」感はない。みすゞと同じ二十六年の生涯とは思えないほど、なんか中身の濃い生である。

桜を見ながら早世の人を思う。ごくごく自然な花見だと思う。

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